バレンタインだそうです。 浮かれきってる世間に、ここの連中も例外ではなく。 (エクレア:エ)「〜〜〜♪」 キッチンで楽しそうになにやらこさえております。 最近元気がいいねぇ。 (エ)「30℃〜、30℃〜、冷えても暑くても〜ダ〜メ〜♪」 即興ソングを歌いながらボールの中身をかき混ぜています。 近くには湯の入ったボールと水の入ったボールとが。 テンパリングとか言う奴でしょうか、チョコレートの匂いが漂っています。 (エ)「愛情込めて〜好きと言って〜♪」 適温に溶けたチョコレートを手際よく型に流していきます。 そのころ、リビングでは・・・ (プリン:プ)「・・・ごきげんだね、エクレアちゃん」 (カステラ:カ)「キャラメル姉様と勝負するとか言ってましたわ、さっき」 (プ)「へぇ?」 (カ)「なんでもどっちのチョコが気に入ってもらえるのかどうとか」 (プ)「いいなぁ、正面切ってそうゆうの出来るのって・・・」 (カ)「お姉様もすればいいのに・・・最初だけですわよ」 (プ)「でもねぇ・・・・・・」 んで正義団。 (キャラメル:キ)「・・・出来た・・・ご主人様、気に入ってくれるかなぁ?」 各種チョコレート詰め合わせを抱えて妄想にふけっております。 (キ)「・・・うふふふふふふふ・・・やん、もぅ・・・そんなぁ・・・」 邪な笑みを浮かべてえらくブキミです。 (キ)「・・・・・・っと、こうしちゃいられないわ・・・」 ラッピングもそこそこに小箱を抱えて飛び出していきました。 んで。 (エ)「遅かったじゃん」 (キ)「ちょ、ちょっと手間取っただけよ」 亮の部屋の前で睨み合う2人。 (エ)「手加減しねぇからな」 (キ)「こっちのセリフよ」 (エ)「・・・いくぜ」 がちゃり・・・ (キ)「ご主人様! 私の気持ちです!!」 (エ)「マスター! 愛してるぜ!!」 ほぼ同時に部屋に入る2人。 同じタイミングで包みを差し出します。 (亮)「・・・むぐむぐ」 (キ)「あ、あれ・・・?」 (エ)「チョコ・・・食ってる?」 色とりどりの銀紙に包まれたちっさなチョコが机の上に転がってます。 視線を脇にずらすとぴくぴく動く三角の耳が。 (タルト:タ)「おいしー? だんちょー」 (サブレ:サ)「さぶれとたるとのおこづかいでかったんだよぉ」 (亮)「・・・ん、ありがとな。 みんなにもあげといで」 (サ)「はーい」 (タ)「ちゃんとたべてね」 とてとて出てゆくこねこ。 ポケットがふくれてるのでまだいくつか入っているようです。 (亮)「・・・で? 何だって? 勝負だとか言ってたな」 (キ)「・・・なんかあの子達の目見てたら・・・」 (エ)「勝負なんてバカらしくなっちまったな・・・」 (亮)「そんなもんだろ、気持ちがこもってりゃこんな10円チョコでも高級品だ」 (キ)「・・・・・・そうですね」 (エ)「これ、貰ってくれるか?」 少し困ったような顔の2人に優しく笑いかける亮。 (亮)「いらん」 (キ)「・・・ぎくぅ」 (エ)「な・・・なんで?」 (亮)「お前らが自分たちで食えるチョコなら貰ってやるよ」 (キ)「エクレア・・・あんたまさか」 (エ)「ね、ねーちゃんだって」 (亮)「・・・媚薬(チャーム)は金輪際ごめんだ」 (キ)「・・・・・・ハイ(まさかバレてるとは)」 (エ)「ちっ、残念・・・」 結局子供の純粋さには敵わず。 続く。
(亮)「チャームに懲りたワケは後ほど長編で・・・」
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