・・・何ヶ月ぶりだろか。 クリスマスなのです。 やたらとイベントやらなにやら。 夕暮れ時の街角にイルミネーションの灯りが映える中を疾走する真紅のフェラーリ。 (東出)「・・・・・・・・・暇人だらけだな」 愛車の助手席で外を眺めつつぼやいております。 (カステラ)「仕方ありませんわ、半分習慣化してるんですもの」 運転手が板に付いてきた様子です。 (東出)「・・・しかし何だって他人の誕生日にこうも浮かれる事ができるのか」 (カステラ)「何でもかんでも商売にしてしまう文化の責任ですわね」 (東出)「手厳しいね・・・お前はどうなんだよ?」 (カステラ)「私は・・・・・・いつも一緒に居られますもの」 (東出)「・・・・・・・・・」 車内の温度が少しだけ上がった気がしました。 後ろに積んであるケーキが心配です。 所変わって。 お子様がプレゼントの包みを広げてます。 (サブレ)「おぉ〜・・・『はじゃひゃくじゅうけん』だ〜」 (優)「男の子みたいなの欲しがるのねぇ」 (秀)「まぁいいじゃんよ、欲しがってたんだし」 (タルト)「ねぇだんちょー、じーちゃんからもらったほん、たるとももってるよ」 (団長)「ん? どんな本?」 (タルト)「『まどうたいけい』っていうの」 (雅)「・・・窓唄い系?」 (プリン)「惑う体形じゃない?」 (麗)「『魔導大系』だよ、全世界中のありとあらゆる魔法を載せた本・・・って、本物?」 (華)「・・・すごそうだね」 (栄)「もし本物なら国宝級のアイテムですね」 (壮)「ほう、そいつはすげぇ・・・で、どうなのよ?」 (団長)「両方本物・・・」 (タルト)「・・・・・・・・・すこしちがうみたいだ」 (団長)「なぬ?」 (麗)「初版と二版とかの違い?」 (タルト)「じーちゃんにもらったほうがあたらしいよ、こっちにはかいてないまほうがあるもん」 (壮)「タルトちゃん、コレ読めるんだ・・・」 (団長)「魔法言語の羅列にしか見えんな・・・翻訳するのも一苦労だぞこりゃ」 (栄)「血のなせる技、って奴ですか」 (エクレア)「深刻な話はやめやめ、ほら、料理運べよー」 (キャラメル)「腕によりをかけてしまいましたよぉ」 (典)「・・・・・・・・・はぁ」 (団長)「お疲れさん・・・そしておそらく夜もお疲れさん」 (典)「言わんでくれ・・・・・・アンタはどーなんだよ?」 (団長)「俺たちはそんな安い関係じゃないから」 (典)「・・・そーかい」 何事か意味深な会話とともに暮れゆく聖夜。 続く。
(カステラ)「・・・遅れそうですわ!」
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