魔法少女第二回。 青嵐高校からお送りいたします。 講師をしている魔導学科の授業が終わり、職員室へ戻ってきた麗。 なんかやけに賑やかです。 (麗)「・・・なんだろ?」 室内では教師達が慌ただしく走り回っています。 その中の一人が麗の姿を見つけ、急いでやってきました。 (海原)「あ〜ん・・・麗ちゃ〜ん、探したのよぉ〜」 小柄で丸眼鏡をかけた女性教師です。 (麗)「・・・なんかあったんですか?」 外見と中身が逆であるかのような2人。 (海原)「えっとぉ〜・・・明日のぉ、卒業試験は知ってるよねぇ〜?」 本人としたら相当焦っているのでしょうが、どうしてもそうは見えないしゃべり方です。 (麗)「詳しいことは知りませんけど・・・実技の基本と応用でしたっけ?」 (海原)「そうなのぉ、それでねぇ〜・・・用意してた動物がねぇ〜・・・」 (麗)「逃げちゃったの?」 (海原)「当たりぃ〜・・・檻を確認しに行ったときにぃ、逃げられちゃったぁ」 (麗)「逃げられちゃったぁ・・・って・・・」 (海原)「え〜ん・・・だってぇ〜・・・」 全く緊張感のない声に頭を掻く麗。 (麗)「それで、何が逃げ出したんですか?」 (海原)「・・・怒らない?」 (麗)「怒らないですよ」 (海原)「えっとぉ〜・・・コカトリス30匹とバジリスク5匹?」 (麗)「・・・はぁ?」 (海原)「ほら怒ったぁ〜」 (麗)「怒ってないって・・・何でまたそんな物騒な・・・」 (海原)「課題内容がぁ、石化魔獣への対応と石化したときの処置だったのぉ〜」 (麗)「それにしても・・・う〜ん・・・」 (海原)「それでぇ、麗ちゃんにどうにかしてもらおうと思ったんだけどぉ〜・・・どぅ?」 (麗)「どぅ・・・て言われても・・・」 (海原)「ダメなのぉ? どぉしてぇ?」 (麗)「いや・・・それくらいのレベルだと消し去ることは出来るんだけど、生け捕るにはチョット・・・」 (海原)「そんなぁ〜・・・麗ちゃんだけが頼りだったのにぃ〜・・・」 (麗)「って言われても・・・」 (海原)「はぁ〜・・・短い間だったけど楽しかったわぁ〜、私のこと忘れないでねぇ〜」 (麗)「あぁ! ちょっと先生!! 早まっちゃダメぇ」 (海原)「だって、だってぇ〜」 (麗)「と、とにかく、全校に避難連絡しないと」 と、言った直後。 ががっ・・・ 「全校に連絡します。 高等部、魔導学科の実験動物が脱走しました。 速やかに教室へ避難し、それらしい動物を見かけても手を出さないようにしましょう」 (麗)「他の先生も居るんだった・・・」 (海原)「あ、そうそう、緊急の職員会議があるから後おねが〜ぃ」 (麗)「・・・しょうがないなぁ、もぅ・・・」 かばんから通信端末を取り出します。 親子電話の子機だと思ってもらえれば。 (麗)「・・・・・・・・・」 とるるるるる・・・ とるるるるる・・・ とるるるるる・・・ (麗)「・・・ちょっと」 とるるるるる・・・ とるるるるる・・・ とるるるるる・・・ (麗)「・・・あんな大家族が何で誰も出ないのよぉ」 とるるるるる・・・ とるるるるる・・・ かちゃ。 (サブレ)「はぁい、さぶれだよぉ」 (麗)「えっと・・・他に誰かいる?」 (サブレ)「ちょっとまってねぇ」 (麗)「うん」 少しばかりほっとして椅子に座ります。 が、 (タルト)「なーにー? おねえちゃん」 がっくりと肩を落としてしまいました。 (麗)「・・・2人でお留守番なんだ、偉いね」 (タルト)「ゆーちゃんがおかいものいっちゃったのぉ」 (麗)「あ、そうだ」 ふと何かを思い出す麗。 (麗)「タルトちゃん、お姉ちゃんの学校解るかなぁ?」 (タルト)「がっこう? えっとぉ、おっきなおうちがいっぱいあるところ?」 (麗)「そうそう・・・来られるかなぁ?」 (タルト)「だいじょうぶだよぉ」 (麗)「あ、じゃあ優お姉ちゃ」 (タルト)「まっててねぇ」 がちゃぷつーつーつー。 (麗)「ん帰ってきたら・・・ってぇ!」 タルトが電話を切るのと同時に、端末の電池が切れてしまいました。 (麗)「・・・大丈夫かなぁ?」 ・・・どうなることやら。 続く。
(団長)「出番無いなぁ・・・」
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