まだまだ。 〜前回までのお話し〜 やっぱりレディ・ババロアの血を引いていたタルト。 何はともあれ、薬の効果が切れるまではあと数時間・・・ 少し遅めの昼食を取り、タルトの気の向くままに市街地をぶらぶらする二人。 気の早いクリスマスのイルミネーションがあちこちに見られます。 (タルト)「ねぇ、だんちょー」 公園のベンチで肉まんをかじりながらタルト。 (団長)「んー?」 団長はコーヒーを飲んでます。 (タ)「じーちゃん、たるとのこときらいなのかなぁ?」 (団長)「は? ・・・じーちゃんって、館長の事?」 (タ)「・・・だって、ずっとこわいかおしてたよ」 (団長)「タルトは爺ちゃんの事嫌いか?」 (タ)「すきだよ・・・たるとのおじいちゃんだもん」 (団長)「・・・そうだな(気付いてたのか・・・)」 本当に気付いていたのか、それとも血のなせる業なのか。 タルトはムースが誰なのか知っていた様子です。 (団長)「・・・幸せにな、って言われたろ? 嫌いだったら言わないぞ」 (タ)「しあわせってどーゆーの?」 (団長)「う〜ん・・・そうだな・・・」 考える団長の横顔を真剣に見つめるタルト。 (団長)「タルトには好きな人いるかい?」 (タ)「うん、みんなすきだよ」 (団長)「じゃあ、みんながタルトのこと好きだったらどう思う?」 (タ)「うれしい」 (団長)「だろ? 他にもたくさんの嬉しい事とか楽しい事が集まって、それが幸せになるんだよ」 (タ)「へぇー・・・すごいねぇ」 簡単な説明に妙に納得するタルト。 再び肉まんにかじりつきます。 (団長)「・・・それだけじゃないけどな」 (タ)「じゃあさぁ、だんちょーはたるとのことすき?」 (団長)「ん? あぁ、好きだよ」 (タ)「じゃあ、じゃあ、たるとがしあわせだとだんちょーもしあわせ?」 (団長)「そうだね」 団長の答えにタルトの顔がみるみる笑顔になります。 それを知らずに団長が最後のコーヒーを一気にあおったその時、 (タ)「それじゃ、たるとがほんとにおっきくなったらだんちょーのおよめさんになってあげるね」 (団長)ぶっ! 絶妙なタイミングで放たれた言葉が見事に団長を襲いました。 (タ)「だいじょうぶ?」 攻撃の主はいい気なもんです。 (団長)「げほっ、ごほっ・・・な、何とか」 (タ)「ね? たるとをおよめさんにしてね、だんちょー☆」 (団長)「はは・・・そだね・・・」 曖昧に返事を返す団長をよそに、一人ではしゃぐタルト。 直後、薬の効果が切れて元に戻りました。 (タ)「あー・・・おしまいかぁ」 残念そうに自分の手を見る。 (団長)「んじゃ、帰るか・・・」 (タ)「はぁい」 最後にどっと疲れが出てしまった団長。 帰宅後、更なる悲劇が彼に襲いかかることをまだ誰も知らない・・・ 続く。
(タ)「やくそくだよ♪」
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