ある日の俺的 79



あぁまともなネタがない。



青嵐学園です。
土曜日の夕方とあって人影もまばらです。

と、校舎裏を小柄な影が歩いてますよ。

太陽丸「・・・・・・う〜む」

なにを考えているのか、真剣な顔で悩んでおります。
またぼこぼこにされますよ。

しばらく独り言をぶつぶつ言って歩いていると、前方に誰か倒れているのが見えました。

太陽丸「こんなところで昼寝とは・・・酔狂な御仁だ」

・・・君には言われたくないと思うよ。
太陽丸「・・・」
しゃきん。
・・・あぁほらほら、寝てる訳じゃなさそうですよ!

太陽丸「むぅ」

どうやら体の調子が悪いようです。
かぼそいうめき声も聞いてとれました。

???「・・・・・・ぅ・・・」
同い年くらいの女子です。
しかもなかなかの美人ですよ。

太陽丸「・・・もし、どうかなされたのか?」

できるだけ穏便に声をかけてみました。

太陽丸「診療所へ連れて行こうか? 風も冷たい、体をこわして」
???「なによ、ガキじゃない」
太陽丸「しま・・・う?」

驚いて固まってる太陽丸をよそに、けろりとした顔で起きあがりまして。

???「しかも何よその格好、ダサすぎー センスおかしいんじゃない?」

顔の割にキツい性格のようです。
巻き舌でさらにまくしたてまして。

???「そんなとこ突っ立ってないでさっさとどっか行っちゃてよ、ジャマだか」

びゅおん!

太陽丸「ぶ・・・武士を愚弄するか! そこへ直れ!!」

しばらく呆然としていた太陽丸がとうとうブチ切れてしまいました。

???「ちょ・・・マジで!? 頭おかしいんじゃない?」

刀振り回す太陽丸に少々ビビりながら逃げ出しました。
そりゃビビるわ。

太陽丸「逃がすか!!」

臨戦態勢で追いかけます。
角を二つ超えて表の方へ出てきました。

太陽丸「我が愛刀の錆としてくれるぅうわぁ!!!」

角を曲がって飛び込んできた光景に急ブレーキをかる太陽丸。
思わず数歩後ずさりまして。

???「さーて、これでも追いかけてくる気?」

なんということでしょう、無関係の児童を先ほどの女子が羽交い締めにしておりました。
さらに首筋に苦無が突きつけられております。

太陽丸「あわわわわ・・・あ、あまり人を傷つけるのはよくないことだと思うでござるよ」
???「とか言う前に、まずその刀を仕舞いなさいよ」
太陽丸「・・・刀? そうでござるね、仕舞いますとも! だから、ねぇ、穏便に・・・穏便に・・・」
???「情けないわねぇ、さっきのイキオイはどうしたのよ」

なにやら話がかみ合っておりません。
人質に原因があるようですが・・・

太陽丸「やはり一般人にあのような仕打ちは酷かと・・・いや、かといって拙者が受けてやる義理も・・・」
???「わけわかんないことぶつぶつ言ってないで、謝りなさいよ、土下座してさ」
太陽丸「少し黙っていてくれぬか? それに謝るのはおぬしの方であろう、誰のために話をしてると思っておるのだ」
???「はぁ? やっぱ頭おかしいワケ?」
太陽丸「あぁ!それは・・・!」

苦無を持った手に力が入り、思わず太陽丸が顔を背けます。

太陽丸「も・・・もう拙者には庇いきれぬぞ、何が起きても知らんからな!」

さらに後ずさります。

???「なんなのよさっきからコロコロ態度が変わってさ」
麗「んー? 多分初めからアンタなんか眼中にないんじゃない?」

あぁそういうことですか。

???「人質があまり喋らないでくれない? ・・・って、どーゆー意味よ?」
麗「べつにー」

麗「この子、アンタの知り合い? ・・・場合によっては」
太陽丸「と・・・とんでもない! 拙者も被害者でござる!」
麗「にしてはずいぶん庇ってたじゃない」
太陽丸「いやそれはやはり一般人では命の保証が」
麗「少しは解ってきたのね、よしよし」
太陽丸「いやぁ・・・ははは」

???「ひ・・・人を無視してんじゃないわよ!」
麗「あぁもぅ、さっきから耳元でうるさいわね!」
相手の右腕をいとも簡単に引きはがすちびっこ先生。
さすが教師、さすが女王様。
麗「凹凸のない女子に抱きつかれて悦ぶシュミは無いの」
???「・・・あ、アンタに言われたくな」

ぴしゃーん!

太陽丸「あー・・・やってしまった」
麗「・・・・・・うるさいんだもん」
太陽丸「どうするでござるよ?」
麗「・・・ま、まぁ一応保健室に運んでおくわよ」



太陽丸「・・・・・・・・・・・・麗殿?」
麗「ん?」
太陽丸「凹凸のくっきりした女子なら良いの」

ぴしゃーん!

麗「へ、変なこと言うんじゃないの!」
太陽丸「・・・・・・そうでござるか」



なにやら出てきただけで何がしたかったのか解らない女子を担いで保健室へ向かう2人。
もちろん担いでるのは太陽丸ですよ。



続く。






団長「続きますよ、多分」





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