ある日の俺的 68



・・・何ヶ月ぶりだろか。

クリスマスなのです。
やたらとイベントやらなにやら。

夕暮れ時の街角にイルミネーションの灯りが映える中を疾走する真紅のフェラーリ。

(東出)「・・・・・・・・・暇人だらけだな」

愛車の助手席で外を眺めつつぼやいております。

(カステラ)「仕方ありませんわ、半分習慣化してるんですもの」
運転手が板に付いてきた様子です。
(東出)「・・・しかし何だって他人の誕生日にこうも浮かれる事ができるのか」
(カステラ)「何でもかんでも商売にしてしまう文化の責任ですわね」
(東出)「手厳しいね・・・お前はどうなんだよ?」
(カステラ)「私は・・・・・・いつも一緒に居られますもの」
(東出)「・・・・・・・・・」

車内の温度が少しだけ上がった気がしました。
後ろに積んであるケーキが心配です。



所変わって。
お子様がプレゼントの包みを広げてます。

(サブレ)「おぉ〜・・・『はじゃひゃくじゅうけん』だ〜」
(優)「男の子みたいなの欲しがるのねぇ」
(秀)「まぁいいじゃんよ、欲しがってたんだし」

(タルト)「ねぇだんちょー、じーちゃんからもらったほん、たるとももってるよ」
(団長)「ん? どんな本?」
(タルト)「『まどうたいけい』っていうの」
(雅)「・・・窓唄い系?」
(プリン)「惑う体形じゃない?」
(麗)「『魔導大系』だよ、全世界中のありとあらゆる魔法を載せた本・・・って、本物?」
(華)「・・・すごそうだね」
(栄)「もし本物なら国宝級のアイテムですね」
(壮)「ほう、そいつはすげぇ・・・で、どうなのよ?」

(団長)「両方本物・・・」
(タルト)「・・・・・・・・・すこしちがうみたいだ」
(団長)「なぬ?」
(麗)「初版と二版とかの違い?」
(タルト)「じーちゃんにもらったほうがあたらしいよ、こっちにはかいてないまほうがあるもん」
(壮)「タルトちゃん、コレ読めるんだ・・・」
(団長)「魔法言語の羅列にしか見えんな・・・翻訳するのも一苦労だぞこりゃ」
(栄)「血のなせる技、って奴ですか」



(エクレア)「深刻な話はやめやめ、ほら、料理運べよー」
(キャラメル)「腕によりをかけてしまいましたよぉ」

(典)「・・・・・・・・・はぁ」
(団長)「お疲れさん・・・そしておそらく夜もお疲れさん」
(典)「言わんでくれ・・・・・・アンタはどーなんだよ?」
(団長)「俺たちはそんな安い関係じゃないから」
(典)「・・・そーかい」



何事か意味深な会話とともに暮れゆく聖夜。



続く。






(カステラ)「・・・遅れそうですわ!」




戻る