ある日の俺的 59



毎度毎度オチが弱いな。



青嵐学園、幼等科。
各地からエリート街道の第一歩を踏みださんとするお子様が集まっております。
・・・親が教育熱心なだけかもしれませんが・・・

と、その高尚なお子様が集う園舎の目と鼻の先にひっそりと佇む保育園。
建物の割には結構な人数がおりまして。
壮が暇つぶしにバイトしている所でもあります。



雨上がりの庭先で子供達がはしゃいでおります。
そこら中に出来た大きな水たまりなど全く気にする様子もなく。

と、一角に見たことのある影が。

(サブレ)「かえるだー」

軒先の花壇に小さな雨蛙を見つけて捕まえようとしてます。

(サブレ)「つ−かまえた♪」

つぶさないように両手でそっと包んで立ち上がります。
と・・・

ひゅ〜・・・・・・・(ボール)
べちゃ(水たまりへダイブ)

サブレが振り返った所へちょうど泥水が跳ね上がり、見事に汚れてしまいました。

(ガキA)「わりーわりー」

年長組の男の子が走ってきました。
形だけ謝ると、ボールを持って走り去ろうとします。

(サブレ)「ばかー!!」

その辺に落ちてた小石を拾って投げつけます。

すけーん!!(かいしんのいちげき)

(ガキA)「いてぇー! ぁにすんだよぉ!!」

大人に叩かれたように反応する少年。
大げさな。

(ガキA)「あやまったじゃねーか!」
(サブレ)「ちゃんとあやまってないもん!」

ぎゃーぎゃーと口論を始める2人。
周りでは煽る者やら治めようとする者やら。

(タルト)「さぶれー・・・やめなよぉ・・・」

騒ぎを聞きつけてタルトが部屋から出てきました。
困った顔でサブレの袖を引っ張ります。

(タルト)「たるとがきれいにしてあげるからさぁ・・・」
(サブレ)「ぶぅぅ・・・」

自分より体の大きい子を相手にしても鋭い目つきで睨み付けています。
そんないかにも不満たらたらのサブレを強引に引っ張るタルト。

(ガキA)「・・・ご、ごめんなさい」

思わずたじろぐ少年。
怖くなって謝ると一目散に走り去ってしまいました。

(サブレ)「ほぇ・・・?」
(タルト)「どーしたんだろね」

白々しくもとぼけるタルトのことなど誰も気付くはずもなく。





続く。






(団長)「・・・フィアー、か・・・実在するとはねぇ」





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