ある日の俺的 55


魔法少女最終回。
急ピッチで進めて参ります。



青嵐高校にて卒業試験に使う動物が脱走。
教職員だけの力じゃ捕獲できない事態に陥ってしまいました。
自宅に応援を要請した麗ですが、タルトが一人でこっちへ向かっているようです。
はてさて、一体どうなりますやら・・・


ちん。

(麗)「大丈夫かなぁ・・・?」

公衆電話の受話器を置いて頭を掻いてます。
家に電話をかけ直したところ、

(優)「買い物から帰ってきたら、家から紫色の流星が飛び出していったわ」

とのこと。
恐らくタルトがこちらへ向かっているのでしょう。
・・・たどり着けるかどうかは解りませんが。

(麗)「とりあえず探さないと・・・」

危険な生物に囲まれている学校の状況を思い出して外へ走り去ってしまいました。



そのころ、地上約300m付近。
超高速郵便の配達員などが飛び交うほか、魔力制御の乗り物があちこちに見受けられます。
操縦者はいずれもかなり手練れの魔導師ばかりです。
その中に、体のサイズに合わせた可愛らしいほうきに跨ってタルトが飛んでいました。

(タルト)「がっこー・・・がっこー・・・どっちだっけ?」

きょろきょろとあちこち見回して青嵐学園を探しているのでしょうか。
風の影響を受けやすい上空をほうきで飛ぶことだけでも至難の業なのに、
就学前の子供が、しかも一人で平然としているのを見て周りの大人達がビックリしております。

(タルト)「みぃつけた♪」

やがて広大な敷地を見つけると、そこへほうきを向け、一気に飛んでいってしまいました。
それを見ていた人々はただただ唖然とするばかりです。



麗が凄まじいエネルギーをまき散らしながら高速接近する何者かの気配を感じて空を見つめています。
避難放送のためか、外に人影は見あたりません。

(タルト)「おねーちゃーん」
(麗)「あー、こっちこっち」

地面すれすれでふわりと浮き上がり、着地するタルト。
同時に、ほうきを消して駆け寄ってきます。

(タルト)「ひとりでこられたよぉ・・・なにかようじ?」
(麗)「物体具現に高速飛行・・・とんでもないなぁ」
(タルト)「どうしたの?」
(麗)「ん? あぁ、えっとね、ちょっと難しいんだけどタルトちゃんな」

と、タルトの背後から何者かが襲いかかりました。

ぴしゃーん!

が、巨大な爬虫類めいたその影は突然発せられた電撃で黒こげにされてしまいました。

(タルト)「びっくりしたぁ・・・」
(麗)「ら゛・・・」

無論、襲いかかったのは逃げ出したバジリスクの内の一体で。
タルトが無意識に放ったボルトストライクで瀕死の状態です。

(麗)「あ、あのね、タルトちゃん・・・」

事情を説明する麗。

(タルト)「それじゃーこのとかげさんなおしてあげないとだね」
(麗)「そうだけど治すって・・・もぅ手遅れ・・・じゃ?」

そう言う麗の目の前でバジリスクの傷が見る間に癒えていきました。

(麗)「リザレクションまで・・・・レディ・ババロアの血って、スゴイ・・」

リザレクション【蘇生】:
術者自身の魔力を生命力へ転化して相手の傷を癒す最大の回復魔法。
たとえ瀕死の状態からでもたちどころに復活させるが、伴うリスクも大きい。
そのため、高位の神官、もしくはそれに匹敵する魔力の持ち主でなければ習得することすら難しい。
蘇生魔法と書かれるが、完全に死亡した者を蘇らせることは不可能。
魂が肉体に留まっている間ならば、論理的に可能ではあるが術者が命を落としかねない。

きょとんとした感じで起き上がるバジリスク。
あっさりと檻の中に入れることができました。

その後数十分、バジリスクの巨体はすぐに見つかり、コカトリスもタルトの魔法で簡単に集まりました。



・・・一方、職員会議は全ての動物が全部集まってもまだあーでもないこーでもないを繰り返していましたとさ。



続く。






(団長)「・・・なんだかなぁ」




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