ある日の俺的 50

更新しだすと早いんだよね。

とうとう沖田君から告白されてしまった華。
思い悩んだ末、ある決心をしました。

青嵐学園放課後、図書館。
例によって例のごとく司書室が舞台となっております。

(華)「あ、あのね・・・この前の話だけど・・・」
(沖田)「・・・」

会い向かいに座っている姿はまるでお見合いです。
二人ともうつむいて緊張している様子で。
そんな二人を面白くもなさそうに見つめる目が。

(火野)「・・・ずいぶん見せつけてくれるわねぇ」

(華)「あれからイロイロ考えたんだけどね・・・」
(沖田)「・・・」

そんな火野のぼやきなど全く聞こえるそぶりもなく二人の世界に入っております。

(火野)「・・・よそでやれ」

(華)「・・・私・・・沖田君のこと嫌いじゃないよ」
(沖田)「え? それって・・・・・・」

華の言葉に顔を上げる沖田。
諦めかけていた心に希望の灯がともったかのようです。

(華)「ううん、好き・・・だと思う・・・異性として」
(沖田)「・・・じゃあ」
(華)「・・・・・・でも・・・」

華はそんな沖田の気持ちをよそに顔を曇らせます。

(華)「・・・・・・」
(沖田)「・・・何か、あるの?」

(沖田)「俺が原因なら・・・」
(華)「そうじゃない・・・そうじゃないの・・・」



(火野)「・・・・・・ばりぼり」

わざとらしく大きな音を立ててせんべいをかじる火野さん。
机に方肘で生ドラマ鑑賞といったところでしょうか。

しかし所詮そんなものが今の二人に聞こえるわけもなく。

(華)「嬉しかった・・・男の子から『好き』って言われたの初めてだから・・・」
(沖田)「じゃ・・どうして・・・」

(華)「私・・・人間じゃないから・・・」

両の目からぽろぽろと涙をこぼす姿はどう見ても人間のそれと見分けが付かないのに。
衝撃的な一言に絶句する沖田。

(華)「・・・ごめん・・・何て言って良いか・・・わからない・・・」



(火野)「何ぼーっとしてんのよ・・・男ならビシッと言ってやりなさいよ」
小声でアドバイスするも、まるで聞いていない沖田君。

(沖田)「そんなの・・・どうして・・・」



たっ。
居たたまれなくなり、駆け出す華。

(沖田)「華ちゃん!」
それを追って沖田も走り出しました。

(火野)「・・・ま、人間知らないことが幸せってこともあるわ」


続く。






(華)「なんでこんなことになっちゃったんだろ・・・」




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