ある日の俺的 49

久々。

深夜、華の部屋。
なかなか寝付けずに何度も寝返りを打っております。

(華)「・・・・・・はぁ・・・」

小さくため息を吐き、目を閉じても眠れそうにありません。

(華)「・・・変なの・・・」



理由を探るべく、少し時間をさかのぼってみましょう。
・・・数時間前、青嵐学園・・・


放課後、いつものように図書室へ行くと入り口に「CLOSE」の札が掛かっておりました。
仕方なしに帰ろうと階段へさしかかった時です。
不意に現れた影にぶつかりそうになって足を止めました。

(華)「ごめんなさい・・・あっ・・・」
(沖田)「・・・華ちゃん・・・・・・」

あれ以来ほとんど顔を合わせていなかったので言葉に詰まる二人。

(華)(どーしよ・・・)

しばらく無言で見つめ合った後、沖田が口を開きました。

(沖)「あ・・・あのさ、やっぱ俺・・・君のこと・・・・・・」
(華)「え・・・?(来たぁ〜!)」

緊張して上手く喋れない沖田君。

(沖)「こんな事言うと何だけど・・・学祭の決勝で君に負けたあの時から・・・」
(華)「・・・・・・」
(沖)「何て言うか、その・・・ダメだな・・・上手く言えない・・・」

(沖)「でもこれだけは言っておきたいんだ・・・好きだって」
(華)「・・・・・・そ、そう・・・(やっぱり・・・)」

恐らく全ての勇気を振り絞って出した言葉だったのでしょう大きく息を吐く沖田。
そんな様子を見ても不思議と嫌な感情が起こってきません。

(華)「・・・少し、時間くれるかな?」
(沖)「も・・・もちろん」

思いがけない返答に一瞬戸惑いながらも思い切り頷いてから声を出しました。



・・・で、

(華)「・・・なんだろ・・・この気持ち・・・」

胸の辺りにもやがかかったような妙な感覚が華の気分を高揚させています。

(華)「・・・・・・・・・でも、嫌じゃない・・・」

再度寝返りを打ち、枕に顔を埋めると、そのまま意識が遠のいていきました・・・


続く。










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