ある日の俺的 48

年越し準備。



商店街を闊歩するお姉様。
若奥様ぶりが板に付いてきています。

(優)「え〜と・・・烏賊、蒲鉾、伊達巻、と」

おせちの材料を買い出しに来たようです。
メモとかごの中身を見比べて買い残しが無いかチェックしています。

(優)「あ、昆布無いわね」

近くの乾物屋へ立ち寄ります。



(典)「大根、人参、牛蒡に薩摩芋、里芋、椎茸、蓮根・・・」

八百屋の前で的確に買い物をしている典。
いっぱいになった袋を三つほど抱えています。

(八百長『やおなが』主人)「持てるかい? 兄さん」
(典)「えぇまぁ」

更に追加された袋を持ち前の握力でぶら下げていきます。

(主人)「・・・はぁ〜、大したもんだ」



ところ変わって竹林。

(団長)「・・・やっぱあんまり育ってないか」
(秀)「心当たりでも?」
(団長)「なーんとなくね」

門松の材料を採りに来た二人ですが、あるのは細っこい竹ばかりです。
そしてあちこちに荒らした様な跡が。

(秀)「そりゃいいけども、竹があったとして誰が作るんだ?」
(団長)「あぁ、器用な奴がいるから・・・・しゃーねぇ、既製品で済ますか」



そして家では・・・

(雅)「窓を拭きましょ〜♪」
(華)「ルル〜ル・・・って、違うでしょ」
(雅)「あれ? 華ちゃん、クリーナーは?」
(華)「はい」
(雅)「・・・ただの水だよ?」
(華)「そうだよ」
(雅)「?」
(華)「新聞紙と霧吹きでぴかぴかになるんだって、キャラメルさんが言ってたよ」
(雅)「へぇ〜・・・やってみよう」
(華)「うん」


リビング。

(壮)「・・・」
(栄)「・・・」
(麗)「・・・」
(サブレ)「ほぇ〜・・・」
(タルト)「・・・?」

不思議な沈黙の中でタルトが福笑いに挑戦しています。

(タ)「できた?」
(麗)「うん・・・すごく上手にね」
(サ)「さっきとおんなじだよ」

おかめの顔パーツが見事にバランスよく配置されています。

(壮)「無駄に最先端だね・・・」
(栄)「・・・えぇ」
(壮)「各パーツにピコチップ搭載してるんだっけ?」
(栄)「そうです、台紙の座標を検出して自動的に決められたポイントへ移動する・・・」
(麗)「『絶対失敗しない福笑い』・・・」
(壮)「んでこっちが反重力装置搭載の『風が無くても揚がる凧』で」
(栄)「地磁気を応用した『永遠に回る独楽』です」
(壮)「・・・・・・売れんの?」
(栄)「さぁ?」



そんなこんなで暮れゆく20世紀・・・

続く。






(団長)「ガラスだけ妙に光ってるな・・・」



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