ある日の俺的 42

まだまだ。

〜前回までのお話し〜
やっぱりレディ・ババロアの血を引いていたタルト。
何はともあれ、薬の効果が切れるまではあと数時間・・・



少し遅めの昼食を取り、タルトの気の向くままに市街地をぶらぶらする二人。
気の早いクリスマスのイルミネーションがあちこちに見られます。

(タルト)「ねぇ、だんちょー」
公園のベンチで肉まんをかじりながらタルト。
(団長)「んー?」
団長はコーヒーを飲んでます。
(タ)「じーちゃん、たるとのこときらいなのかなぁ?」
(団長)「は? ・・・じーちゃんって、館長の事?」
(タ)「・・・だって、ずっとこわいかおしてたよ」
(団長)「タルトは爺ちゃんの事嫌いか?」
(タ)「すきだよ・・・たるとのおじいちゃんだもん」
(団長)「・・・そうだな(気付いてたのか・・・)」
本当に気付いていたのか、それとも血のなせる業なのか。
タルトはムースが誰なのか知っていた様子です。

(団長)「・・・幸せにな、って言われたろ? 嫌いだったら言わないぞ」
(タ)「しあわせってどーゆーの?」
(団長)「う〜ん・・・そうだな・・・」
考える団長の横顔を真剣に見つめるタルト。
(団長)「タルトには好きな人いるかい?」
(タ)「うん、みんなすきだよ」
(団長)「じゃあ、みんながタルトのこと好きだったらどう思う?」
(タ)「うれしい」
(団長)「だろ? 他にもたくさんの嬉しい事とか楽しい事が集まって、それが幸せになるんだよ」
(タ)「へぇー・・・すごいねぇ」
簡単な説明に妙に納得するタルト。
再び肉まんにかじりつきます。
(団長)「・・・それだけじゃないけどな」

(タ)「じゃあさぁ、だんちょーはたるとのことすき?」
(団長)「ん? あぁ、好きだよ」
(タ)「じゃあ、じゃあ、たるとがしあわせだとだんちょーもしあわせ?」
(団長)「そうだね」
団長の答えにタルトの顔がみるみる笑顔になります。
それを知らずに団長が最後のコーヒーを一気にあおったその時、
(タ)「それじゃ、たるとがほんとにおっきくなったらだんちょーのおよめさんになってあげるね」
(団長)ぶっ!
絶妙なタイミングで放たれた言葉が見事に団長を襲いました。

(タ)「だいじょうぶ?」
攻撃の主はいい気なもんです。
(団長)「げほっ、ごほっ・・・な、何とか」
(タ)「ね? たるとをおよめさんにしてね、だんちょー☆」
(団長)「はは・・・そだね・・・」
曖昧に返事を返す団長をよそに、一人ではしゃぐタルト。
直後、薬の効果が切れて元に戻りました。

(タ)「あー・・・おしまいかぁ」
残念そうに自分の手を見る。
(団長)「んじゃ、帰るか・・・」
(タ)「はぁい」

最後にどっと疲れが出てしまった団長。
帰宅後、更なる悲劇が彼に襲いかかることをまだ誰も知らない・・・

続く。






(タ)「やくそくだよ♪」



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