ある日の俺的 39

久々に長め。

深夜、魔導研究室。
団長がなにやら怪しげな実験をしております。

(団長)「・・・マンドラゴラの粉末をドラゴンエキスと・・・」
不気味な色の薬品を混ぜ合わせているようです。
机の周りには訝しげな品々が多量に。
(団長)「メドーサの髪とバジリスクの牙、仕上げにダークマターを、と・・・」
フラスコの液体をアルコールランプでゆっくりと加熱しています。
どす黒い色がだんだん澄んでいき・・・

かっ!!


(団長)「・・・完成、秘薬『あの頃に戻りたい』!!」
蒼く透き通った液体を小瓶に詰めて保管庫へ。
どんなクスリなのやら。





翌朝。
(団長)「えぇ、完成しました、ご注文通り」
(タルト)「・・・・・・きれぇ〜」
リビングで電話をかける団長の横にタルト。
昨夜のクスリを興味津々に見つめてます。危ないなぁ。
(団長)「はい、明後日ですね、了解しました」
ぴっ。

(団長)「さて・・・とぉうっ!!」
目を離した隙にタルトが小瓶を口へ。
・・・だから言ったのに。
(タ)「にがぁ〜い・・・」
想像を絶する凄まじい味に眉をひそめるタルト。
(団長)「・・・飲んだ・・・のか?」
(タ)「あたまがふらふらするよぉ・・・」
(団長)「ちょっ・・・マジかい!」
意識が朦朧となったタルトを抱えて部屋へ走る団長。
さぁ〜て、大変だ。





(タ)「う・・・ん・・・?」
どうやらタルトの意識が戻ったようです。
(タ)「・・・あれぇ?」
起きあがるといつもより視線が高めに感じられます。
ふと横の鏡を見れば、16、7程の少女が映っておりました。
(タ)「・・・たると、おっきくなっちゃった・・・」

がちゃ。

(団長)「気が付いたか・・・」
(タ)「だんちょー、これほんとにたると?」
困ったような嬉しいような声で、戻ってきた団長に聞く。
(団長)「タルト以外に誰が居る?」

言いつつタルトに服を放る。
確かに、子供の服は着られたもんじゃないので。
そして推定190cmはあろうかと言うバストが更に着られる服を限定しちゃってます。
まぁ本人は全然気にしてないようですが。

(タ)「そっかー・・・どうして?」
(団長)「あの苦い奴飲んだだろ」
(タ)「おっきくなるおくすりだったの?」
(団長)「正確には人間換算で17歳近辺の肉体になる薬だが・・・まぁどっちでもいいや」
(タ)「じゃあ、みーちゃんとおなじくらい?」
(団長)「・・・まぁ(あのウイルス、突発的な変化でも効果が出やがった・・・)」

(団長)(飲んだ量からして効果は約8時間か・・・)
時計と予定表を見比べ、最後にタルトを見る。
(団長)(とりあえず予定は全てキャンセル、ミザリィ様には悪いが・・・よし)

リビングに内線をかけます。
(優)「はい?」
(団長)「俺だ、ちょいと出かけてくるからな、タルトと一緒に」
(優)「また珍しい・・・サブレはどうするのよ?」
(団長)「十分可愛がってやりなさい、お母さん」
(優)「なっ・・・ちょっと・・・」

かちゃ、つーつー。

(団長)「さて、遊びに行くぞ、タルト」
(タ)「わーい!」

団長に飛びつくタルトと廊下を走る音。

(団長)「れっつごー!」
(タ)「ごー!!」

びゅわん!

二人が消えると同時にドアが開く。

ばん!

(優)「どーなってんのよ・・・まったく」

続く。






(タ)(どきどき・・・)



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