ある日の俺的 38

まだ青嵐学園(長ぇなおい)

その後数日。
毎日のように顔を合わせているのに未だ華に気付かない沖田君。
・・・ちょっとアレじゃなかろか。

昼休み。
今日も追っかけから逃れて図書館へ向かう沖田。
もう日課になっております。
しかしやはり図書館にもファンは居るので、人目を避けるように司書室へ。
こそこそした方がかえって怪しいのに。

(沖田)「・・・あれ?」
いつもと違う雰囲気に戸惑う沖田。よく見れば火野司書が居ません。
(沖)「火野さん、どこ行ったの?」
小さな机でいつものように本の修繕をしている女生徒に聞く。
だからそれが華だってば。

(華)「え? ちょっと用事で放課後まで戻れないみたい」
コイツも名乗り出てやればいいのに。
(沖)「そっか、んじゃ帰るか・・・」
そう言ってさっさと出てゆく沖田。
おまいの目的はなんだ?

(華)「・・・・・・・・・・・・・・・」
かなり複雑な表情で扉を見つめてます。





一年A組、華のクラスです。
E組とは一番離れているのであまり交流のないクラスです。

思いがけず時間が空いたのでとうとう沖田がやって来ました。
だから華は図書館だって。

がらがらがら・・・
(沖)「失礼しまーす」
教室の中では数名の女子がおしゃべりしてるだけで他に人影はありません。
みんなどこかで遊んでるのでしょう。

沖田に気付いた一人が顔を上げました。
(木之下)「何か用?」
流石の沖田も知らない人には単なる「他のクラスの男子」的扱いをされます。
(沖)「いや・・・別に・・・」
もう一人が口を挟んできまして。
(土谷)「あ、E組の沖田君でしょ! 決勝で華ちゃんに負けた」
(沖)「え? あ、まぁ、」
(木)「ふぅん・・・割とフツーじゃん」
(土)「リベンジなんて考えない方がいいよ、華ちゃん強いから」
(沖)「いや、そうじゃなくて・・・(なんでみんな同じ事言うんだ?)」
(天童)「用があるなら直に言えば? 図書館に居るよ」
(土)「時間だからもう戻ってくるだろーけど」
時計を見れば、確かにそろそろ予鈴が鳴る時間です。

がらがらがら・・・
(木)「って言ってたら来たし」
(華)「へ? あれ、沖田君どしたの?(何でいるのよぉ)」
(沖)「え゛・・・君、確か・・・」
固まる沖田。
そらそーだ。
(華)「さっき来たよね、図書館(平常心、平常心・・・)」
(沖)「あ〜・・・その・・・何だ・・・いや、うん、じゃ」
曖昧に答えてそそくさと出てゆく沖田。
(華)「・・・なんかあったの?(大体解るけど・・・)」
(天)「さぁ?」
(土)「華ちゃんに用事っぽかったけどねぇ」
(木)「惚れられてたりして」
(華)「まさかぁ・・・(う〜・・・)」
(土)「だって彼氏居るもんねぇ」
(天)「うそぉ! 初耳!!」
(華)「そんなじゃないって・・・」

更に混迷を期する華のスクールライフ。
これから一体どうなりますやら・・・

続く。






(華)「どーしてこーなるのよぉ・・・」



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