ある日の俺的 37

またも青嵐学園。
文化祭も大盛況の内に滞り無く終了し、いつもの学園生活が戻ってきました。



1年E組。
武道大会で惜しくも準優勝になった沖田君のいるクラスです。

昼休み、相も変わらず沖田の周りは取り巻きの女子が群がってます。
しかし当の本人はどうも浮かない顔で大きなため息などついております。

(沖田)「・・・はぁ」
(水谷)「ねぇ、最近元気ないよ」
(金古)「そうよぉ、どうしたの?」
(地井)「何かあったら相談に乗るよ?」
ちょっと前までは明朗快活だった沖田の変化に戸惑う一同。
一様に心配そうな顔を見合わせています。
(沖)(・・・・・・寝ても覚めてもあの子のことばかり・・・これは恋だ、そうに違いない・・・)
(金)「・・・ひょっとして、大会のことで悩んでる?」
(地)「どうして棄権しちゃったのよぉ」
(水)「決勝の相手、そんな強かったの?」
(金)「A組の華って子でしょ、生意気よねぇ〜」
(水)「そうそう、なんか突然スタイルよくなったって言うじゃない」
(地)「ゼッタイなんかやってるよねぇ〜」
と、立ち上がる沖田。
(金)「沖田クン?」
(沖)「手水場に・・・ね」
(水)「は〜い」



図書館。
国立図書館にも匹敵する程の巨大な建物です。
児童書から各種専門書までなんでも揃います。

沖田が司書室を訪ねてきました。
トイレじゃなかったんかい。
(沖)「・・・と、言うわけで」
(火野司書)「まぁマメだこと・・・リベンジでもする気?」
なかなかの美人です。
保健教諭と並んで人気だとか。
(火)「やめといた方がいいわよぉ、こてんぱんにされるのが目に見えてるじゃない」
(沖)「・・・違いますよ」
(火)「ん〜・・・まさかとは思うけど・・・惚れた?」
(沖)「・・・・・・そんなとこです」
(火)「へぇ〜、アンタがねぇ・・・剣一筋だと思ってたけど?」
(沖)「だから余計ですよ、何やったら彼女みたいに強くなれるのかなぁ・・・なんて」
(火)「ふ・・・ん・・・ねぇ、どう思う?」
横で本の修繕をしていた生徒に振る。
(華)「へ? え、え〜と・・・よく聞いてませんでした」
(沖)「まぁいいや、聞いてもらってすっきりしましたよ」
(火)「そう? んじゃまぁ、頑張りなさいな」

帰る沖田。
目で追いつつほくそ笑む火野。

(火)「・・・だってさ」
(華)「は、はぁ・・・?」
(火)「隅に置けないわねぇ、このォ」
(華)「え、え〜とぉ・・・」
(火)「って、顔も知らない相手に惚れる? フツー」
(華)「さぁ〜? あ、時間だから戻りますね」
(火)「あ〜ぁ、若いっていいわねぇ・・・」

青春時代の思い出に浸っている火野をほっといて華も教室へ戻りました。

続く。






(華)「・・・どうなるんだろ?」



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