ある日の俺的 35

私立青嵐学園。
華と麗が通う小中高一貫した教育の学校です。
やっぱロボだしね、公立だと・・・

そして今日は文化祭です。
これだけ規模が大きくなると全て回るのすら困難な程で。
とりあえず一大イベントである武道大会の模様を・・・



高等部、男子剣道部部室。
・・・あまり好んで覗きたくない部屋であります。
なにやら騒がしいので様子をうかがってみましょう。

(芹沢)「・・・やっぱここにいたんスか」
一年生でしょうか、急いで走ってきた様です。

(土方)「用はない、帰れ」
(近藤)「何だよ? 手短にしろよ」
んでこちらのお二方が先輩ですか。

(芹)「あ、そうそう! 中等部の沖田が決勝っスよ!」
(近)「だろうよ」
(土)「だから用はない、帰れ」
(芹)「・・・それだけっスか」
(近)「別に解りきってることじゃねぇか」
(土)「普通の中学生に沖田を倒せるのがいるとは思えん」
(芹)「はぁ」
(近)「それよか何か食料でも調達して来いや」
(土)「焼きそばは却下だぞ」
(芹)「・・・」
渋々出てゆく芹沢君。

(近)「駆け足ぃ!」
びしぃっ!!(竹刀)
(芹)「へ〜い」



体育館。
中等部剣道の決勝が行われようとしています。

観客席の最前列にさっきの三人が。

(芹)「・・・結局来るんじゃないスか」
(土)「なに、決勝で叩きのめされる気の毒な相手を拝みにな」
(近)「相変わらず人気者だなぁ、沖田の奴」
「沖田」の名を付けた少年が無数の女子に囲まれてます。
(芹)「相手もなかなかの人気っぽいっスよ」
小柄な剣士に二人の女子がなにやら言ってます。
(土)「・・・宮本と佐々木? 何やっとんだ?」
(近)「さぁ? なんか企んでんだろ」
(芹)「あ・・・沖田の相手、白袴っス」
(近)「おぉ、どんな娘だろーな」
(土)「・・・お前はそれかい」



んでその相手サイド。
(宮本)「応援してるわよぉ、絶対勝ってね(ワタシタチのために)」
(佐々木)「最初が肝心よ、多分なめてかかってくるから」
どうやら高等部女子剣道部員のようです。
かなり打倒沖田に燃えているようで。
当の本人はあまり乗り気じゃ無いようですが・・・

(華)「やれるだけやってみますけど・・・」
(宮)「そんなんじゃダメ! もっとビシッと!」
(佐)「貴女に勝ってもらわないと困るのよ(カケが)」
(華)「はぁ・・・(勝つのは簡単なんだけど・・・手加減が難しいんだよぉ)」





(団長)「へぇ、へぇ・・・間に合ったか」
(優)「・・・広すぎるのよ・・・敷地」
(秀)「学校で町おこしが出来るな・・・町内会長居るんじゃないか?」
(団長)「あのおっさんならやりかねんな・・・始まるぞ」



(宮)「がんばって〜(大穴〜)」
(佐)「気合いよ〜!!」

(芹)「随分入れ込んでますね、センパイ方」
(近)「あの娘、どう思う?」
(土)「強いな・・・かなり」





(沖田)(怪我させちゃかわいそーだからね・・・即効で行くか)
(華)(沖田クン強いからちょっとくらい力入れても大丈夫だよね・・・)

(審判)「一本目! 始めぇっ!!」

びしぃっ!!!(瞬)

(審判)「一本!!!」(赤旗)

沖田サイドから黄色い悲鳴。
ほくそ笑む宮本&佐々木。

(沖)(うっそ・・・)
(華)(あっ・・・だ、大丈夫かなぁ?)

(審判)「二本目!!」

(沖)(いてぇ・・・油断した・・・)
(華)(もー少し手加減した方がいいかな・・・)

(芹)「・・・センパイ、見えました?」
(近)「まぁな」
(土)「思いがけず沖田の本気が見られそうだぞ」

(審判)「始めぇ!!」

がっ!!!

(沖)(・・・ぐぬぬぬ・・・この子ホントに女か?)
(華)(あ〜・・・やっぱり出なきゃよかった・・・)
(沖)(・・・押してダメなら・・・)

ぱっ。

(華)(え?)

ぱしぃ・・・ん!!

(審判)「一本!!!」(白旗)

沖田サイドから黄色い大歓声。
焦る宮本&佐々木。

(近)「あの娘、強いけど・・・」
(土)「試合慣れしてないな、隙が大きい」

(優)「ぁにやってんのよ! 負けたら承知しないわよ!」
(秀)「一夜漬けの剣術が効く相手でも無いと思うぞ」
(団長)「人間じゃかなりの猛者だな・・・剣の腕だけなら勇者になれるぞ」

(華)(あんな技・・・聞いてないよぉ)
(沖)(・・・・・・)

(審判)「勝負!!!」

すっ、と手を挙げる沖田。
(沖)「・・・・・・棄権します・・・」
(華)(へ?)

ざわめく観衆。
ガッツポーズする宮本&佐々木。

(審判)「勝負あり!」(赤旗)

(華)(・・・優勝しちゃったよ)
(沖)(冗談じゃない・・・あんなのもう一発喰らったら泣くぞ、俺)



(近)「ま、いい経験だろ」
(土)「中等部は問題ないな・・・」
(芹)「それに引き替え・・・」
高等部、剣道部員:6名(内3名が今年引退)

(団長)「素直に喜べんな」
(秀)「解ってた結果だしねぇ・・・」

続く。






(沖)「華ちゃんね・・・惚れたかも」




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