ある日の俺的 17

キメラオークション。

会場内、VIPルームにて。

(団長)「・・・なんかいつになく盛況だね」
(東出)「これからイロイロ規制がやかましくなるからな、消費者心理だろ」
(栄)「規制が緩い内に少しでも、と」
(東出)「まぁそんなだろうな」
「しかし今回もよく揃えたね、こんなに」
(主催者)「人工キメラを扱えるのはこれで最後ですからね、全力を尽くしましたよ」
(東出)「そういや今回はキメラだけじゃないのな」
「ええ、次回のために亜魔族や亜龍なども揃えてみました」
「それでこんな広くなったんか・・・迷子になってねぇだろうな」
そこへ他三人が戻ってきまして。
(秀)「ただいま」
「噂をすれば、か」
(典)「とりあえず人が多い多い」(げんなり)
(壮)「ホント、暇人が多いよな」(元気)
「ところで壮君、その子達は一体?」(壮の背中を指す)
「は?   おや?」(何かに気付く)
「さっきの仔猫じゃねぇか、付いて来ちゃったのか」
(仔猫A)「・・・にゃ〜」(上目遣い)
(仔猫B)「みゅぅ・・・・」(ジャケットつかむ)
「・・・キミ達、僕の言葉解るかな?」(しゃがみ込んで)
「みゃぅ・・・?」(首を傾げる)
「みぃ」
「・・・文明教育されてないね」(振り返る)
「ここのじゃないよね、これ」
「えぇ、登録札もありませんし・・・それに準キメラの方は明後日からですから」
「どうするよ?帰ってくれそうにないぜ」
(東出)「先に言っておくが、俺は面倒みないぞ」
「最近多いんですよ、準キメラを会場近辺に棄てていってしまう人が・・・」
「ここで登録することは?」
「そうしてあげたいのは山々なんですが、
防疫検査などの登録にかかる費用がかさみましてね、これだけ特別扱いというわけには」

「なるほど」
「何故みんなで俺を見る?」
「そりゃあ」
「なぁ?」
「うわぁ、肉球がぁ・・・」(既に手なずけてる)
(東出)「子供と女の扱いは巧いのな、お前」
「・・・まぁ手間が省けたと言えば手間が省けたんだが・・・」
「にゃ〜」
「みゃぁう」

そんなこんなで仔猫二匹を引き取ることに。
文明教育されてないから会話も出来やしねぇ。
まぁ教育係に適したのが一人(一匹?)いるが・・・
続く。



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